05.13

烏賊
ぼくはラーメンが好きである。
ラーメンの種類には醤油、塩、味噌などオーソドックスな物をはじめいろいろあるが、
味だけではない分野で大きく3つのジャンルに分けられると、勝手に思っている。
完全に主観だが、以下のとおり。
1、ハードパンチ系
味の濃さ、脂の多さ、ニンニクやショウガ、山椒などの薬味の主張、
盛りの量などが特徴のパンチが効いたラーメン。
ラーメン二郎や、そのインスパイア、横浜家系などが代表的。
2、繊細オリジナル系
調味のバランスがよく、ラーメン自体の深みやオリジナリティが味わえる。
食材に拘り、従来のラーメンの味を独自で追及した万人受けしやすいラーメン。
ミシュランガイドに紹介されたり、トレンドとなりやすい傾向にある。
3、どこにでもある系
昔ながらの味を継承しているラーメン。
またはファミレスや食堂などにある、いわゆる普通のラーメン。
どれも全部うまいのであるが、
ぼくの好みはどちらかというとハードパンチ系で、特に二郎は大好物である。
大げさかもしれないが、当たりの一杯に出会えたときは何もかも忘れて夢中になれる魅力が二郎にはある。
(二郎は店舗にもよるが日によって味がブレることが多く、良い方にブレた時が当たりの一杯となる。その満足度には期待値をはるかに超える)
オフィスのある東大前や本郷三丁目、春日にもラーメン屋が点在し、
最近衝撃を受けて何度か通ってるのが「ねむ瑠」というお店だ。
ここはラーメン業界の最高権威である「TRY(東京・ラーメン・オブ・ザ・イヤー)」の新人賞を受賞しているお店。
何のラーメンかというと、「烏賊煮干しラーメン」である。
ジャンルでいうと繊細オリジナル系。
恥ずかしながら、
最初この「烏賊(イカ)」が読めず、「鳥(とり)と煮干しか~どんなんだろう?」と思っていた。
なので初めて食べたときはどのへんが鳥なのかわからず、とても混乱した。
※ちなみに会社のメンバーに読めるか聞いてみたところ、読めない人は多数いたので読めないのは自分だけではないはず!
味はというと、濃厚なイカに魚介の風味が効いた他で食べたことのないスープ。
歯ごたえがしっかりした麺に、ローストビーフのようなレアチャーシュー。
「チャーシューが小さかったので3枚にサービスしておきました」
というウィークポイントをお得感に変えるサービストークまである。
そしてここの最大の特徴は「替え玉」だ。
通常、麺のおかわりをスープに入れるのが替え玉だが、
ここは「そのまま食べられる替え玉」なのだ。
お皿には、麺と細切れのチャーシューとたまねぎ。そして謎の粉末とタレ。
これをまぜまぜして食べるのだが、非常に美味!
食感はパスタにも似ている。
卓上の山椒オイルや酢などで味の変化も楽しみつつ、
最後は本来の替え玉のように丼に投入。
味に夢中になり、危うく丼に入れるのを忘れるくらいだ。
ぼくがこのお店に行く理由は、
おいしいからというのはもちろんなのだけど、
・烏賊のラーメンが他ではなかなか食べられないこと
・飽きのこない意外性のある替え玉
・まだ食べたことのない魅力的メニュー
もしかしたら、烏賊がそんなに好きでなければ
それほど感動の味ではないのかもしれない。
でも、一部の烏賊好きにとってはナンバーワンのポジションを取っている。
ある分野、ある人達にとってのナンバーワンは
他には代え難い貴重な存在であることを、このラーメン屋は教えてくれる。
麺屋 ねむ瑠
https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131004/13186981/

澤田 知明

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